(再UP)公開制限かけてあるmixi日記に書いたものの改訂版

脳内で、「★」とあの男がダブってダブって、全身の血がシャーベット状になって流れるのを感じながら、事件当初から現在に至るまで、ニュースやワイドショーを見たり、ネットを見たり、していた
ムキチョウエキ、ですか
ハハハハハ!
じゃあ、あいつは?
あいつは、犯していない
あいつは、殺していない
あいつは、略取は、した
なんだか終わりが見えた気がして、目の前がすごく明るくて、一人でカラオケで二時間、戸川純プラトゥリと、あとムックを少しと最後にディルのオブスキュラを、歌って、タカ、普通の恋愛を経験させてくれてありがとう、かなちゃん、みさみさ、本当は一緒に歌いたかったよ、関わってくれた全員、バイバイ、と、赤信号の横断歩道を歩き出したら、「邪魔ですよ」という意味の軽いクラクションを二回、鳴らされて、気が付いて、歩道に返った
交差点だから、みんなスピード落としてたんだねえ
自分の勝手で他人を加害者にするのは、確かに良くないね
最悪だね
あいつ以下だわ
ところで、あいつは?
あの男は?
もう、いるのか?

あの男は、私を利用したあの男は、頭の中も、言っていることも、やろうとしたことも、全部、「★」そのものだった
あの男は、殺していない
しかし、あの女の子を逃がすことがなかったなら、私が専門学校の補修に出ていなかったなら、全く同じことになっていたのかもしれない
あの男は、奴隷を手に入れることには成功した
恋人のような関係にもなっていた
私のことである
散々私を辱しめて、脅して、愛しているとつぶやいて、暴行し、世の中の末端に突き落としてくれた
ありがとうね、おかげさまで、目が覚めたよ
他人に見限られる恐怖なんて、あんたほどの奴の人間的価値に比べたら、それほど重要な問題じゃなかったということを知ったよ
そう、こういう人間性の奴に振り回されていることを知ったら、手遅れになる前にこちらから捨て去るのがお互いにとっての一番の救済だ
何も、ネクロフィリアペドフィリア、身体欠損少女を愛する傾向や、犯して殺して食いたい妄想に頭を抱えている人を糾弾したいんじゃない
それだって立派なセクシャルマイノリティの一部であると考えているし、できることならそういう歪みについて、話し合うことで受け止めてあげたい、とは、思っている
そんな歪みを抱えていても、犯罪者にならずに生きられる方法は必ずあると、自分の為にも彼らのためにも、考えていた
でも、私は女に生まれてしまった
共有することは、できる
しかし、性的な感覚として理解することは、できない
私にはその男性的な脳はない
男根を愛撫する快楽さえ、一生知ることもない
丁度、今の彼氏の(至極健全な意味での)オナニーが好きだという言葉の意味を体感することができないように
いつその幻想の対象にされるか、という不安を打ち消す精神力なんかあるのか
「ゴミ男」を庇う余地は私には、ない
あいつが、「ゴミ男」が死ぬか、私が死ぬかしかない
「ゴミ男」が殺しに来る
「ゴミ男」が死ぬか私が死ぬか以外に、救済の道はない
殺した「★」は、死なない
殺さなかった「ゴミ男」は、どこにいる
死にたい、しかし、「ゴミ男」に殺されるのは、絶対に嫌だ
私を殺せなかった屈辱感を味わえばいい
背後から石を投げつけられながら、苦汁を舐め舐め生きろ
ボロ雑巾のように死ね
今の私が、「ゴミ男」と、被害者の周囲と、罪悪感に怯えながら、生きているように
マイノリティなんだ、矯正なんて効かない
反省なんか、あいつがするわけがない
私の周りの同じマイノリティを持つ人たちは、こんなバカじゃないって、信じてる
もがいて悩んで、時々は癒しのために、そういう画像や書籍を見ていることも、解る
「★」が彼らの象徴だ、と、一度に切り捨てるなんてできない
「★」は、絵を描いていた
しかしそこで満たされなかった何かは、私には解らない
本人じゃないし、男性の性的興奮の感覚が解らないから
絵を描いて満たされるか、漫画を読んで満たされるか、満たされやしないんだろう
「★」以外の、他の同じマイノリティを持つ人たちも
リアルへの欲求が、より高まっていくだけだろう
どうして壊しちゃいけないの、私が不幸になるからです
果たして、それは、正解か
で、壊した当人は、結局幸せなんですか?
裏に幸福のない不幸なんて、ゴミ以下です
死んでください
結局「ゴミ男」も「★」も、漫画のようには、理想通りには、ならなかったじゃないか
私のことさえ思い通りに動かせなかったじゃないか
ああ、削除削除、削除
うろたえるな、気丈でいろ、今の彼氏を、友人を、自分だけを、魚たちを、愛せ
「★」とか、「ゴミ男」さえいなくなれば、違う、私が、私のために、死ね
「ゴミ男」が、「★」が、生き残る世界で、私は何をどう解釈して生きていればいいの
頼むから死んでくれ
頼むから死なせてくれ
中途半端に失敗した人間は、完全な成功のためのヒントを手に入れているはずだ
「ゴミ男」や「★」が生きている以上、私に心からの安息なんてあり得ない