温泉天国・この世は地獄

地元から電車で20分ほどの距離の場所に、結構オシャレで若者も多く利用する温泉施設がある
正確には温泉じゃないんだけど

一回の入場料さえ払えば、色々なお風呂はもちろん様々な種類のサウナや岩盤浴が制限なく使い放題とお得らしい
低温サウナと岩盤浴に至っては室内着を着たまま入る為に男女混浴可能で、カップルや家族の客が多いらしい
とはいえ、辺鄙な場所にあるためにそもそもそんなに混まないらしい
しかも誕生月の人間は、割引特典がつくというではないか
私は4月うまれ
これは行くしかない!とばかりに、昨日、日々溜まりに溜まった邪念と毒を総排出しようと出掛けてきた

すごく良かった
満喫した
元々風呂好きで、過去にLUSHなる高価な石鹸屋にはまりまくり、入浴剤やら各種石鹸やらに凝って、様々な入浴法を勝手に研究していたほど風呂とそれに付随するアレコレによって幸せを感じられた人間である(今はすっかりズボラになっており、日によっては風呂に入らなかったりもするが。汚れが落ちればいいやみたいな傾向にあるが…)
そんな奴にとって、このばかでかい入浴施設が気持ち良くないわけがないではないか
特に塩サウナが良かった
暑いサウナ内で、自分で自分の身体に塩を塗りたくるのだ
綺麗な内装のサウナの中で、私は塩揉みされた胡瓜になった

私は女だが、女の裸が好きである
しかし、エロ本等にみられる艶かしく媚び媚びでエロエロな裸体が好きなわけではない
エロスを匂わせない、潔いのが好きなのだ
当然私も、それを見ることで性的に興奮したりすることはない
年老いていようが子供だろうが、腹肉で陰毛が隠れ乳だか腹だかわからない状態でなければ全然オッケー
そういうわけなので、土方ばりにタオルを頭に巻き、「今月の湯・ローズ」と書かれた透明な赤紫色のお湯から顔を半分出し、視界を縦横無尽に歩き回る老若様々の裸体を観察させてもらった
観察し過ぎてのぼせた

心身共にサッパリとし、駅までの無料バスに乗り込んだら滅茶苦茶混んでいた
更に悪いことに、キャピキャピうるせえ女子高生グループと、見るからに十代のヤンキー、というよりヤンキーにもなりきれないチャランポランな男子グループの間に私はいた
この女子高生、本当にうるさいのである
仲間内にしか通じないのであろう言語で、妙な歌まで合唱する始末
それだけでもたまらないのに、チャランポラン男子である
奴等が間接的に女子高生に絡み始めたのだ
どうやら彼等も女子高生のうるささがカンに障ったらしいが、チャランポラン特有の頭足りない絡み方をするために鬱陶しさ倍増である
その2グループの間に自分がいると想像してみてくれ
後にこうして日記のネタにしようと思わなかったら、会話のバカさ加減に爆笑しているか一人悶々と苛ついているところだ
どちらにせよ不快な連中であることに間違いはない
普段なら音楽を聞いてやりすごすところだが、実は私には連れがいた
だから、どうでもいい話を振って間を持たせようとしていたが、バスから降りた瞬間理性の箍が外れ手を叩き声を上げて笑った
連れの男の目は、死んでいた

こんなクソガキ、田舎のちょっと栄えた場所に出ればいくらでも湧いて出る
観察すれば笑いのネタと私は言うが、こういう脳ミソ足りない連中は、本当に大嫌いだ
わざわざ書くほど珍しいものでもないが、でっかい風呂に入り滅多に入らないサウナや岩盤浴に入り、毒素をキレイサッパリ排出したと思った途端に毒素の塊と遭遇したためにインパクトが凄かった、不快感が並じゃなかった

私が風呂で得た爽快感は、数名のクソガキによってくずおれる程脆いものだと解った
一時の快感など、現世という地獄の中では圧倒的不利