沢田

沢田が死んだ

コリドラス・ジュリイという名称の魚だから沢田
名付けた後で、じっくり模様を見て、「もしかしたらこれはトリリネかも知れないなあ」なんて思ったけど、そのまま追及しなかった
初代アルビノのツキが自殺してしまったとき、沢田の存在は大きかった
ボーッとしているツキの隣でボケーッとしていた沢田が、隣に誰もいない状態で砂をつついていたのは切なかったけれど、それでもツキを忘れられなかった私にとっては、沢田のまばたきが、ツキとは違う黒い目が、アルビノコリドラス喪失の痛みを少しだけ助けてくれていた
だけどそれは、沢田にとっては、一匹でいたほうが良かったのかも知れないと、今は思えてならない

しばらくして、餅と名付けた二代目アルビノコリドラスを迎えたのだけど、それから半年程度経過した今、餅は沢田の1.5倍くらいにまで成長した
沢田が元々小さかったのと、餅が初めから少し大きめだったこともあって、あまり気にしていなかった
実は昨日、沢田の様子が少しおかしくて、変に元気に、ひたすら色んな場所をモグモグしていたのだけど、苔でも食べているのかななんて、軽く受け流していた
考えてみれば、最近沢田は少し痩せていたんだよ
痩せていると思った時点で隔離してあげれば良かった
餅と寄り添う沢田が好きだったけれど、それは群れで行動するコリドラスの習性だから、その先までは考えていなかった

沢田が来てから約一年ということを考えてみる
もしかしたら、寿命なのかもしれない
元々背鰭が欠けやすかったりして病弱そうではあったから、これだけ生きたのは奇跡なのかもしれない
沢田と同じ店から連れてきた子たちは、水質が合わなかったのか、プリステラの薄荷を除いて、みんなすぐに死んでしまった
(いつも行く店と違ってその店は、あまり綺麗な店ではなかったから、二度と行かない気がするけど)

今朝、かろうじて生きてはいたけど、倒れていた沢田を、まともに看取れないまま、出掛けてしまってごめん
帰宅して、エビに食べられている沢田の遺体が、綺麗だった模様も、黒い目も、白くなってしまった沢田が、悲しくて、受け止めきれなかったよ
背鰭も尾鰭も溶けていない、綺麗な遺体だった

餅が元気すぎるほど元気に泳いでいる姿を見ると、もしかして明日、沢田みたいに倒れていたら、と、不安で仕方がない