ルージング・マイ・フューチャー

積んだ

次に赤が来なかったら最上段中心部が埋まる
次にT字ブロックが来なかったら埋まる

次にアレが来なかったら、ここがこうなって埋まる
埋まる


「辛そうだからバイト休めば」
「でも病気とかじゃないし、行かなくちゃ」
「最近疲れきっているでしょう」
「うん、じゃあ、休もうかなあ、今週もう3日出たから金も大丈夫だろうし」
「金って…そんなことより行っても仕事にならなくて周りに迷惑かける方が問題でしょう」
「…やっぱり行くわ、ただの怠慢だし。行けばどうにかなるし。辛いのなんかほんと朝だけで、休みの日なんか午後になるにつれてピンピンしてるもん。頭痛いけど」
「…それはうつ病じゃないの。ここ一ヶ月ずっと具合悪そうな顔だよ」
「そんなまさか。梅雨だからだよ」
「まあ、あんたがそう言うなら行ってきなさい。弁当置いとくから」
「うん」
「早く寝て早く起きて昼間に動く、きちんとしたリズムつければきっとよくなるよ」
「うん」

おかーさんごめん
結局、お弁当積んで家を出て、300メートルくらい歩いたところですっかり駄目になってしまって、バイト先に電話をしてしまった
バイト先の社員が「お前金曜のクソ忙しいときに休むのかよふざけんな」みたいな対応をしたのが、愛想で取り繕った声の中で解った

結局二ヵ所も欺いてしまった
家まで引き返す気にもなれず歩きながら電車に乗りながら、起きしなに飲んだバファリンのことを考えている

大丈夫私はうつ病じゃない
梅雨が悪いのだ全部
低気圧に弱い自分の体質が
一ヶ月以上この妙な体調と戦い続けてきたじゃないか
雲の切れ間がないのが、晴天が続かないのが何よりの原因なのだ
言い聞かせてそして、自分さえも欺いているのではないかという不安と戦うが、しかし、もう攻撃する気力がない
防御が崩れたら煮るなり焼くなり御自由にといった感じだ
たぶん病気じゃない
季節的なものだ
絶対病気じゃない
そもそもが面倒くさがりなのだ
ただこの程度で折れていたら、社会人になってからどうなるんだろう
怖い
私は自立がしたいんだ
3日
3日だよ、一週間の間に続けて仕事に出られる期間
これじゃ駄目だ
一週間は7日あるんだ
半分以下じゃないか
「大丈夫、それは、学業とアルバイトを掛け持ちしている中で、たまたま生活に置ける負担が大きくなったのがアルバイトだからだよ、卒業すれば仕事に集中できる。だから大丈夫だ」
自分で自分を慰めている
虚しさと焦燥感とどうでもよさとどうしようもなさがひしめく
世界の終わりとは僕の終わりだとドニー・ダーコは言った
そうか私を終わらせれば世界が終わるのか
でもどうやって
まだ私は全然頑張っていないのに
ヘッドホンを手離せない私はさしずめシェリータといったところか

………。


「なんだい?死ぬ?」
落ち着け
ゲームのやりすぎだ
でもせっかく借りたPSPに、昨日は触りもしなかったよ